シェアハウス大家族

「正解?」と聞く子にハッとした。親と子の対話で紡ぐ子育て論

こんにちは。
神戸シェアハウス和楽居(わらい)のいのじです。

最近、娘のKoちゃん(小2)との会話の中で、子育てにおいてとても大切な、そして深く考えさせられるテーマに直面しました。

それは、子どもの心の中に芽生える「正解」や「正しいこと」を求めたい気持ちについてです。

この記事では、Koちゃんとの対話を通して、僕自身の子育ての姿勢や、社会に根強く存在する価値観について、親としての素直な気持ちを綴っていきたいと思います。

はじめに:わが子(Koちゃん)との会話で考えたこと

Koちゃんが、ママに「早く歯磨こうね」などと声をかけられ、たまに癇窶気味になる時があります。

ある日、Koちゃんが

「ママの口癖は、朝には、『Yuちゃんがもうすぐ来るよ。そろそろ歯磨こうか』。夜には、『そろそろお風呂入るで。そろそろ歯磨こうか』」

と呟いているのを聞きました。

そこで、僕からKoちゃんに声をかけてみました。

「急かされるのは嫌?」本音の対話

いのじ
Koちゃんは、どんな気持ちになるん?『早くしなさい』って言われている感じ?
Koちゃん
うん
いのじ
急かされるのは嫌なん?
Koちゃん
うん。いや!

嫌な気持ちになるのは、素直な感情ですよね。

ただ、ここでKoちゃん自身の行動が、周りにどんな影響を与えるのかを一緒に考えてみました。

いのじ
でも、ママも『早くしなさい』っていうのを、しんどいと思うで。じゃあ、朝も全然急かすのやめて、時間のことも伝えず、ほっといた方がいいかな?Yuちゃんが来ても、先に学校に行ってもらうように伝えてもいいよ
Koちゃん
いや、それはいやや。言ってほしい
いのじ
そうなんや。なんでなん??
Koちゃん
それはなんか嫌やから
いのじ
お友達に先に行ってもらったり、せっかく家に来てもらったのに全然準備できてないっていうのは、嫌な気持ちになるの?
Koちゃん
うん

Koちゃん自身、”ほっとかれるのは嫌”、”友達に迷惑をかけるのは嫌”という気持ちがあるようです。
ようするに、ママの”声かけ”の必要性は理解しているということです。

さらに、親の気持ちについても対話を続けました。

いのじ
ママも、Koちゃんが嫌な気持ちにならないように、困らないようにと思って、急かしてると思うんやけど、Koちゃんが怒ったら、ママもせっかくご飯の準備して、Miちゃんの様子も見ながら、Koちゃんに声かけしてるのに、悲しいというか、なんか嫌な気持ちになるんちゃうかな
いのじ
Koちゃんは急かされずに、自分ではできないの?
Koちゃん
うん。難しいねん
いのじ
そうか、そうか

子どもにとっての「正しいこと」と「正解」の重み

愛娘たちとご飯

愛娘たちとご飯

この後のKoちゃんの行動と一言が、僕にとって一番印象的でした。

僕は、Koちゃんに”気持ち”を大切にするように伝えました。

いのじ
ママが声をかけたのに、怒っちゃったときは、後で気持ちが落ち着いてからでいいから、ママの気持ちとかKoちゃん自身の気持ちを考えて、ママにそれを伝えてあげてほしいな

すると、Koちゃんが僕に確認をしてきたのです。

Koちゃん
『ごめんなさい』って謝るってこと?
いのじ
いや、謝るかどうかは、Koちゃんが考えたらいいと思うよ。Koちゃんが、相手の気持ちと自分の気持ちを感じたり、想うことが一番大切やと思うから

Koちゃんは僕の方をちらっと見てからママのところに歩いて行き、

Koちゃん
さっきは怒ってごめんね

と伝えると、また僕のところに戻ってきて、小声でこう聞いてきました。

「ごめんなさい」の先にあった「正解?」

Koちゃん
正解?
いのじ
**『正解』かどうかは、俺にはわからへんわ。
Koちゃん自身が怒った時、どんな気持ちだったかとか、
ママにどんなことを伝えたいと感じたのかとか、
そういうのが大切で、『正解』かどうかは、Koちゃんがどう感じるか次第で変わるからなー

この言葉を伝えたとき、Koちゃんは少し戸惑っているように見えました。

僕も妻も、心の奥にある気持ちの話をしているつもりなんだけど、子どもは「正解」かどうかを考え、問いかけてくる。

まるで、「正解」と大人が評価する行動を想像して、それに合わせようとするかのようでした。

「正しいこと」をすれば評価される社会の価値観

家族でキャンプ飯

家族でキャンプ飯

Koちゃんの言動は、僕に一つの話を思い出させました。

「きのくにこどもの村学園」のお話会で聞いたエピソード

3年ほど前、和楽居で、”きのくにこどもの村学園”の先生と竹房さん(保護者の方)とのお話会を開きました。

竹房さんのお子さんが、地域の小学校に通い始めた小1の夏休みに入った頃、ふと**「お父さん。学校って、『正しいこと』をずっとやっていけばいいんやんね?」と聞いてきたそうです。

竹房さんは、その言葉に『うわ、これはマズイ!』と感じ、”より自由な学校、のびのびと心を育ててくれる学校”を探し、きのくににたどり着いた、というお話でした。

このエピソードと、Koちゃんが「正解?」と確認してきた姿が、僕の中でピタリと重なりました。

「正しいこと」や「正解」を求め、それを行うことで評価されるという価値観は、公教育の場だけにあるものではなく、この社会そのものに根強くあると感じます。

子どもは、言葉で”気持ちが大切”だと聞いても、”行動で正解を評価されること”を学習しているのかもしれません。

だからこそ、「ごめんなさい」という”正解とされている行動”をとった後に、大人に”評価”を求めてしまうのかもしれません。

神戸シェアハウス和楽居の大家として考える「自分育て」

子育ては、本当に「自分育て」そのものだと痛感します。

Koちゃんとの対話を通じて、僕自身も自分の心の中にある「正解」や「できることへの執着」と向き合わされました。

親の価値観が、子どもの心のベースになる

「できても、できなくてもいい」

頭ではそう思っていても、無意識のうちに「できることを評価する」という社会で染み付いた価値観が、僕の言動のベースになっていることがあります。

もし親である僕自身が、

  • 「正解」を出すことに価値を置いている
  • 「できないやつ」と思われることを極端に恐れている

のだとしたら、子どもは敏感にそれを感じ取り、”ありのままの自分”ではなく”正解を演じる自分”を目指してしまうかもしれません。

子どもは、親の言葉ではなく、親の”あり方”から世界を学んでいる。

これは、和楽居という「第2のふるさと」を目指す場を運営する大家として、シェアメイトとの関わりの中でも常に意識していることです。

誰の心にも「正しい」の線引きは違います。ルールではなく、本音で対話し、お互いの気持ちを感じ合うこと。

その”心の繋がり”こそが、子どもにとっても、大人にとっても、”唯一の拠り所”になると信じています。

僕は、垂水小学校が大好きだし、周りの先生たちも、ご近所さんも、本当に素敵な人たちだと感じています。

家庭の中でできる声掛け、対話の重要性を感じながら、
子育てを通じて、僕自身が、どうあるかが試されている。

Koちゃんとの対話を胸に、これからも子どもが「正解」ではなく「自分はどう感じたか」を大切にできる。そんな心のベースを築いていけるよう、
じっくりと自分育てを続けていきたいと思います。

イクメンパパを目指す神戸シェアハウス和楽居
大家 兼 住人のいのじでした。

最後までお読みいただきありがとうございました!!

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